【B.N.26】I hope I die before I get old……(Sandwiches / 2020.5.4)

(この記事は2020年5月4日に投稿した内容をそのまま再掲したものです)

いけない! この連載をはじめて以来、朝の7時すぎには起きだしてキーボードを叩くのが常だったのやけど、26日目にしてついにちょっぴり寝坊してしもうた。ただいま10時、小雨のマンデー・モーニングです。おおねむ。

というのも昨夜はNETFLIXで「STRANGER THINGS」というドラマをみておったところ、やめどきが見つからず気づけば深夜になっておったのです。ここで言わずともでしょうけれど、とても面白いのね。わたしはとくにサウンドトラックが気に入りました(作品をご存知の方は「いまさら観てるの」とお思いでしょうが、わたし、おとついようやくNETFLIXを観られるようになった新参者ですからしてご容赦くださいな)。

この作品は70~80年代が舞台ということで、たとえばTHE CLASHなんかが流れるシーンが出てきます。そこでなぜだか、福岡の父を思い出しました。『London Calling』はしっかりCDラックに収まっていたし、なんやろうか、ギターのピック型をした「エアギターおもちゃ」……たしかスイッチをいれるとTHE CLASHの「I Fought the Law」と、SEX PISTOLSの「God Save the Queen」が交互に流れ、曲に合わせてピックを動かせばギターの音が出る、安い雑貨屋に売ってそうなそれ……を父が買ってきたとき、なぜだか夢中になって遊んだなあ、と、曲とともにそんな記憶が蘇った。

先日、母がピアノでビートルズの『Lady Madonna』をよく弾いていたという話を書きました(#21 『よみがえるレディ・マドンナ』)。おそらく、ちょうど70年代〜80年代にかけて青春時代を過ごしたはずの両親は、ブリティッシュ・ロック? あるいはUKロック? 曖昧なままで申し訳ないけれど、とかく当時の英国バンドにもよく親しんでいたようです。

CDのほかにおそらく父みずからダビングしたのであろう、ラベルのないカセットテープなんかも粗雑に積んであって、いつだったかわたしはその中から「Beatles」とだけそっけなく書かれた一本を東京に持ち帰りました。そのテープには一枚のロック・アルバムが焼き付けられていて、そのときはなんの疑問もなく、曲名はわからないままにビートルズとして聴いておった。

けれどもそのテープを聴くにつけいたく気に入ってしまい、そうなるとやっぱりアルバムのタイトルや曲名が気になるもの。しかし、ビートルズで検索してもそれらしき作品に出会うことができず、考えれてみればそのあたりで「Beatles」とのラベルはだいぶんキナ臭くなっていたのだった! そんでいまどき「Shazam(シャザム)」なんて便利なアプリケーション(曲を聴かせれば、アーティスト名やタイトルを教えてくれる)が使えるもんだから、さっそくいさんでカセットを再生、シャザム先生に教えをこうたのであります。

そのカセットテープの正体は……残念ながらラベルの騙る「Beatles」ではなく、THE CLASHでも、SEX PISTOLSでもなく、じゃあRolling Stones? それともOasis? ノンノン。THE WHOの『My Generation』だったのです。ながらくなぞめきながら、それでも妙に惹かれて繰り返し再生した「Beatles」のテープ。それがTHE WHO!「誰?」とも読めるバンド名をもつ彼らの曲だったと知り、ささやかな符合(とも呼べぬこじつけに近いものだけれど)にあははと笑うばかりでした。英国ロックには縁遠いわたしですが、それ以来、フェイバリット・アルバムにたびたび『My Generation』を挙げています。

実はいちど歌詞にも引用したことがあって、やあ、あの日父の部屋から適当に選び取った偽りのテープがこれほどまでに重要なアイテムになるとは思いもよらなんだ。そうした感慨と結びつけ「すぎる」聴き方をわたしはあまりしないのだけど、この「Beatles」、もとい『My Generation』だけは特別なのでした。


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