【B.N.5】おそろしく嵐で外は(2020.4.13)
(この記事は2020年4月13日に投稿した内容をそのまま再掲したものです)
冷たい雨のそぼふるトーキョー・モーニング。「窓の開け方」と題した雑文の、つづきめいたなにかであります。
さて昨日、ひとつの動画がSNS上で話題になったことをご存知でしょうか。説明は省略しますが、みてみれば、ああ、おおよそ感じたことのない恐怖を喚起する内容のものでした。アンコンフォタブルな情報でも取り込むべきよなと書いたものの、それはときとして予期せぬかたちでダメージを負う可能性もじゅうにぶんに含むわけで、ぐずぐずしんどいことです。
おのれのフィルタのうちにいればすくなくともつるりとした心地よさでもって満足だしね、実際そうしたセーフティゾーンがないと人は壊れてしまうでしょう。やたらめったらオープン、オープン、オープン! 窓を全開にするのが正しいと一概には言えぬ。そのことについては昨日の記事で引用した『情報環世界―身体とAIの間であそぶガイドブック』でも言及されていました。
(前略)大前提として、社会がよりよいものであるためには、閉じこもっているばかりではダメで、自分と異なるもの、自分にとって心地よくないかもれしれないものとうまくやっていかなくてはなりません。けれども、「ダイバーシティ」や「寛容性」のような言葉をちりばめた「べき論」によって、個人の環世界を無理やり開かせようとするのは、場合によってはかなり暴力的な行為なのではないかと感じます。むしろ、私たち一人ひとりの中にある保守性を認めることが、安心して「開く」ことにつながるのではないか。
2019年 NTT出版株式会社『情報環世界―身体とAIの間であそぶガイドブック』p.34より
しかしていまの状況を生き延びるためには、いままで以上に「開く」意識が必要な気がしてならないのも事実。
わたしはふるさとの福岡県から上京して以来、丸々7年間自宅にテレビを置かずに生活してきました。スペシャルなポリシーを持っているわけではなく、もとからそんなにテレビを観ないほうだったので「今は別にいいかなあ」とたらりたらり暮らしているうち、7年も経ってしまった。
そのためインスタントに情報を得る手段はTwitter、Instagramなどの各種SNS、あとはニュースアプリのみ。思いっきり「自分好み」にデザインされた窓窓窓でしかないのでした。こうして物理的に閉じ込められたいまになって、それらのチャンネルがいかに狭隘なものであったかいたいほど思い知ったわけです(注:テレビが上等な手段であると主張したいわけではありません)。本当に必要としているsomethingがそこには不足しているのだ、そんなアイデアが頭からはなれない。
そりゃもう「もっと、もっと開かなくちゃ」とおおわらワアよ、でも不用意に外へ飛び出そうものなら、恐ろしい情報の洪水に呑まれて正しい方向なんかわからんのだ! そもそもそのsomethingってなんなのや。石塀(昨日の投稿を参照されたい)を超えたさきはまさしく大嵐の様相で、やはりあらゆるチャンネルを閉ざしてごろんしてしまおうか、と、そんな気分にもなります。
上手に「窓を開ける」ためにはきっと一朝一夕では育たぬ種類のゆるぎなき視力筋力が必要なのであって、これはもうひたすらに挑み続けて鍛えるほかないのよね。このnoteがいみなすところは、はたして……。とつおいつペン先はふるえるばかりだけれど、ふうう、今日のところはこのへんで。
●本日の一冊
情報環世界――身体とAIの間であそぶガイドブック
昨日今日と引用したこちら。かみくだいた表現と、ポップな装丁も相まって関連知識の乏しいわたしでも非常に読みやすく感じました。帯のぶっとい文句にあるように、現代の情報社会を生き抜くための示唆に富んだ一冊です。
おしらせ
・連続配信シングル第5弾『I wanna (feat. A.G.O)』好評配信中
配信先はこちら→https://linkco.re/dfsv0geV
・街なか音楽祭『結いのおと』出演決定
2022年5月7日(土)、茨城県結城市にて開催される都市型音楽フェス『結いのおと』に出演します。
(現在発表済みの出演アーティスト)
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yuinote.jp/posts/32320946